2023年度こども食堂全参加者アンケート結果報告

掲題の件、毎年恒例で実施しております、アンケート調査の結果がまとまりましたので、公表させていただきます。

ご覧下さいませ。

 

 

2023年度 こども食堂参加者及びボランティア体験者アンケート調査報告

 

報告日:令和6年3月8日(3月10日理事会承認済み)

報告者:特定非営利活動法人 せいじゅん たすけあい こども食堂事務局

 

調査目的 

本年度の活動を振り返り、参加者及びボランティア体験者を対象に活動内容に対する満足度や今後の参加意志、参加者やその家族の行動・意識の変容及び意見要望などをヒヤリングし、今後の活動に反映させる。

 

調査方法

 対象 令和5年4月~令和6年2月末までの全参加者及び全ボランティア体験者(登録ボラティアを除く)

 方法 申込代表者(保護者等)に対しメールにてgoogle form(1世帯1件、無記名)への回答を依頼。

 期間 2月14日~3月5日

 

結果概要

●112人(軒)より回答を得た、昨年比40%増(昨年度は80軒)の回答数であった。

 

●参加者の居住地について

 昨年度と比較し筒井町内が11→9%、町内を含む大和郡山市内よりの参加者が65→41%と大幅な減少となり、一方市外(県内)参加者が31→49%と大幅に増加、また県外よりの参加者も4→10%と増加した。市内に多くのこども食堂ができたことから、市外よりが増加したのではないかと推察される。

 

●こども食堂への参加のきっかけについて(どこでこども食堂の活動を知ったのか)

「こども食堂のHPをみて」が最も多く32%を占める、続いて友人、知人よりの紹介が30%を占め、これら合計で全体の6割以上を占める。昨年度比では、HPよりが30→32%、友人知人よりが25→30%にそれぞれ増加した。一方配布ビラや広報紙、情報誌よりの参加はいずれも減少しており、これら紙を媒体とした広報に対して参加者の関心が低下していることがわかった。紙による広報に対して関心が低下していることから、HP、SNSや口コミを活用した広報への転換が求められている。

 

●通算の参加回数について

 昨年対比で5回以下の参加率が24→29%と微増。また50回以上が11→21%、通算の参加回数が50回以上の家庭が大幅に増加しており、確実に参加者の定着化が進んでいることがわかった。

 

●本年度参加のこどもの年齢構成

昨年同様に未就学児、小学校低学年、高学年、中学生がそれぞれ約1/4の構成になるが、未就学児及び中学生がそれぞれ22→28%、22→27%と増加の傾向にある。学年層がかなり幅広いので、全ての世代にあった統一のプログラムの提供ではニーズにマッチしない可能性がでており、企画運営を難しくしている。

 

●満足度について

活動全体に対する満足度は、5点満点中5点が75%を占め、4点以上が96%となり、昨年度同様に極めて高い満足度を得ていることがわかった。また各事業別の満足についても、4.3~5点と極めて高い満足度であった。

 

●今後の参加希望について

 今後の参加希望は5点満点中4.8点と昨年同様に極めて高い希望があることがわかった。各事業別の参加希望も4.7~5点といずれも非常に高い。

 

●こども及び家族の行動や意識の変容について

こども食堂に参加することによるこどもの日常における行動変容につき、「非常に変化した」「変化した」の合計は、52%と過半数を超え、こどもに大きな影響をもたらしていることがわかった。主な具体記述(自由記載)としては、「明るくなった(笑顔がふえた、楽しみが増えた)」、「あいさつができるようになった」、「ありがたみがよく分かるようになった」、「自分で考えて行動できるようになった(行動力、積極性がついた、新しいことにチャレンジすることが増えた)」、「勉強に集中できるようになった」、「他者とかかわりやすくなった(人見知りの解消)」「視野が広まった」、「野菜で食べれるものが増えた」などである。

 

また家族における変容については、「非常に変化した」「変化した」の合計が全体の約4割であり、家族においても明確な変化がみられている。具体的には、「家族の会話が増えた」「親子で過ごす時間や楽しみが増えた」「意識して家族の時間を作るようになった」「こどもの親に対する考えがかわった」「人が困っている場面を見つけたら自分が出来る事を考えるようになった」「親が息抜きできる時間ができた」等の記載があった。

 

●「いきづらさ」を抱えているこどもの現状について(今回初調査)

  「子育て家庭に伺います。ご家庭のお子さんの中で息苦しさを抱えている方はいますか?」という問いに対して、子育て家庭の47%と約半数の家庭において、こどもがいきづらさを抱えているとの回答があった。

 

 その息苦しさはなにか?という質問に対して、発達障がい(グレーゾーン、未検査も含む)が最も多く、64%と息苦しさを抱えたこどもの約2/3、参加の子育て家庭全体のうち29%の家庭において発達障がいの課題を抱えていることがわかった。続いて、自己肯定感が低い(38%)、貧困(26.2%)、不登校・ひきこもり(23.8%)、不器用(23.8%)、友人関係がうまくいかない(21.4%)、学力遅延(19%)、知的能力の遅れ(16.7%)が主な要因であることがわかった。

これに対し、「こども食堂の何らかの活動にご自身のこどもが参加することで、上記に回答の「いきづらさ」の解消、軽減にこども食堂はどの程度役立っていますか?」という問いに対して、こども食堂への参加によって、こどものいきづらさの解消に「非常に有益である」が28%、「有益である」が60%と、合計88%が有益であると回答された。

 

●こども食堂に対する参加者の認識について(今回初調査)

こども達やご家族にとって、こども食堂はどんな存在ですか?という問いに対し(複数回答不可)、「こども(や家庭)と社会とをつなぐような存在」が前年同様に25%と最も多く、「様々な学びを提供してくれる存在」が19%、「なくてはならない存在」が18%を続いて多い。参加を通じて、こどもや家族と社会とのつなぎ役、あるいは様々な学びの提供が行われる場所であると認識されている。

 

報告書のpdf版(詳細版)は以下よりご覧いただけます。